月刊「コロンブス」10月号に掲載|光沢面のキズはなぜ見えないのか、AI外観検査はなぜ「導入して終わり」ではないのか

株式会社東方通信社が発行する月刊「コロンブス」2026年10月号(2026年9月30日発売)のp.42、地域別企業紹介「関東 神奈川県」のページに、株式会社TOMOMI RESEARCHの取材記事が掲載されました。

誌面が光を当てたのは、3D×AI外観検査システム「TR-300」をめぐる3つの点です。光沢面の微細なキズの可視化、現場に合わせた数カ月の調整、そして美術品への応用の模索。本記事ではこの3点を手がかりに、「光沢面のキズはなぜ見えないのか」「AI外観検査の導入には何が必要か」を解説します。

掲載誌情報


掲載号(2026年10月号)表紙 出典:東方通信社・月刊『コロンブス』2026年10月号

項目 内容
誌名 月刊「コロンブス」
発行 株式会社東方通信社
号・発売日 2026年10月号(2026年9月30日発売)
掲載ページ p.42 地域別企業紹介「関東 神奈川県」(推薦コラム「押します!!」付き)
誌面見出し 独自の画像処理技術とAIで製造現場の外観検査を革新!!
出典表記 出典:東方通信社・月刊『コロンブス』2026年10月号

月刊コロンブス2026年10月号 p.42 株式会社TOMOMI RESEARCH紹介ページ

月刊「コロンブス」2026年10月号 p.42 出典:東方通信社・月刊『コロンブス』2026年10月号

1. 光沢面の微細なキズを「凹凸」として取り出す

なぜ光沢面のキズは見えにくいのか

誌面はまず、外観検査の大半がいまも目視に頼っており、熟練者の養成や人手不足、高齢化が深刻な課題になっていると指摘しています。さらに金属部品やシリコンウエハーのように光沢や複雑な模様のある製品では、熟練工でも従来の照明やカメラで細かなキズを見分けるのは難しい、と。

理由はシンプルです。カメラが記録するのは「明るさと色」であり、光沢面では照明の映り込みや地の模様のコントラストが、キズがつくるわずかな陰影よりはるかに強く出ます。柄物の布についた小さなシワを、写真1枚から探すようなものです。

多方向から光を当て、表面を3次元にする

TR-300は「多方向照明ヘッド」で複数の方向から光を当てて撮影し、その画像を処理して対象物の表面を3次元化します。光の向きを変えると、凹凸がつくる陰影は向きに応じて変化しますが、色や模様そのものは変わりません。この違いを手がかりに表面の形状を求めることで、色・模様と凹凸を切り分けられるのです。

代表取締役CEOの佐藤友美は、誌面でこう表現しています。

「光沢のあるタイルや金属鋼板の表面から色や模様を消し去り、キズの凹凸情報だけが浮き出てくる」

この処理を担うのが、当社独自の画像処理技術「FORESIGHT STEREO」と、AI異常検知ソフトウエア「E3 ENGINE」の組み合わせです。TR-300では4方向のLED照明とラインスキャンカメラを同期制御し、照明を毎秒1万回以上切り替えながら撮影します。

誌面写真の例:エンジンピストンの鋳造面

誌面には、自動車のエンジンピストンの比較写真が掲載されています。従来の照明では平坦にしか写らない鋳造面が、3D画像処理後は刻印から微細な凹凸まで立体的に浮かび上がっています。「見えないキズ」が照明の当て方と処理の工夫で「見える凹凸」に変わる様子を、ぜひ誌面画像でご覧ください。

2. AI外観検査は「導入すればすぐ自動化」ではない

「AIは万能」というイメージとのギャップ

誌面が「元気ポイント」として挙げたのは、「製造現場に寄り添う調整プロセスを重視」という点でした。AIには万能のイメージがあり、導入すればすぐ自動化できると思われがちです。しかし実際はそう単純ではありません。取締役CTOの崔成熏は誌面でこう語っています。

「現場の特性に応じた細かな調整が必要だし、精度が高すぎて不良とはいえない微小なキズまでシステムが拾い上げてしまうこともあり、その調整には数カ月かかる」

「精度が高すぎる」ことがなぜ課題になるのか

見えなかったものが見えるようになると、今度は製品の機能や品質に影響しない微小なキズまで検出されます。これが「過検出」です。すべてを不良として弾けば、良品を捨てることになり、再検査の手間も増えます。

そして「何を不良とするか」は、製品・用途・取引先の要求によって現場ごとに異なります。同じ深さのキズでも、ある部品では合格、別の部品では不合格ということは珍しくありません。だからこそ、検出結果を現場の判定基準とすり合わせ、システムを現場に合わせていく工程が欠かせないのです。当社が調整を重視するのは、「検出できること」と「現場で使えること」は別物だと考えているからです。

導入を検討する方へ:期待値の持ち方3つ

  1. 調整期間を計画に組み込む ── 導入直後から全自動、ではなく、現場の基準に合わせ込む期間があることを前提に計画を立てる。
  2. 「不良の定義」を共有できるよう準備する ── 限度見本や過去の判定事例など、現場が何を合格・不合格としてきたかが整理されているほど、調整は進めやすくなります。
  3. 初期の過検出は失敗ではなく出発点ととらえる ── 細かく見えすぎることの裏返しです。そこから基準を現場に合わせて絞り込んでいきます。

3. 表面の3Dデータ化を美術品へ──応用を模索中

誌面では今後の展望として、この精度の高さを美術品に応用できないか模索していることも紹介されました。

「油絵の筆のタッチなどを3次元でデータ化することで、作品のアーカイブ化や贋作の判別などさまざまな活用が期待できる」(佐藤)

これはまだ模索の段階です。製造業で培った「表面を3次元で捉える」技術が、色だけでは残しきれない筆致の凹凸を記録する手段になりうるか。製造業の外にも広がる可能性を、慎重に探っていきます。

第三者からの評価

誌面の推薦コラム「押します!!」では、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)事業化支援部長の松本佳久氏から、TR-300について次のようにご推薦いただきました。

「従来困難だった光沢製品の微細なキズを高精度に可視化します」

あわせて、誌面では当社の受賞・認定歴も紹介されています。

  • 「神奈川なでしこブランド2024」認定(2024年)
  • 令和7年度(第40回)神奈川工業技術開発大賞「未来創出賞」(2025年12月発表、主催:神奈川県・神奈川新聞社)
  • 第38回 中小企業優秀新技術・新製品賞「奨励賞」(2026年4月、りそな中小企業振興財団)

まとめ

光沢面のキズは、色や模様に埋もれて「見えない」。TR-300は多方向照明と3D化で凹凸だけを取り出し、その検出結果を現場の基準に合わせて数カ月かけて調整します。今回の掲載では、この「見えるようにする技術」と「現場で使えるようにする調整」の両方に光を当てていただきました。

取材・掲載いただいた月刊「コロンブス」編集部の皆さま、推薦のお言葉をお寄せくださった松本佳久氏に、心より御礼申し上げます。


光沢品の外観検査や、AI検査の導入・調整でお困りのことはありませんか。「目視では限界を感じている」「過去にAI検査を試したがうまくいかなかった」といったご相談も歓迎します。お気軽に当社ウェブサイトのお問い合わせからご連絡ください。


出典:東方通信社・月刊『コロンブス』2026年10月号